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本多歯科ブログ

歯根や歯ぐきに膿がたまる病気

2017年08月8日(火)

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歯根に膿がたまる時はこんなとき

根尖性歯周炎とは?

神経を取る治療をした歯や神経が死んでしまっている歯に、何らかの理由があって歯の中に細菌が侵入して増殖した後、その最近の毒素や代謝産物(わかりやすく言えば細菌の死骸や糞)が根の先に押し出されて歯根の先に膿を溜めることを「根尖性歯周炎」と言います。

歯根嚢胞とは?

そして根尖性歯周炎が進行して膿を袋状に溜めることを「歯根嚢胞」と言います。症状がなく進行することが多く、歯医者さんに行ってレントゲンを撮ってみると、たまたま見つかるというケースがほとんどですが、歯茎から膿が出てきたり歯茎が痛むということもあります。その大きさは歯冠大から親指大、鶏卵大と表されます。

歯根破折とは?

歯根の一部がひび割れたり、縦に割れたり(垂直破折)、横に割れたり(水平破折)と破折の仕方は様々です。破折した部分に感染が起こります。レントゲンでは歯根の尖端には膿は溜まっていないのに歯ぐきから膿が出たり歯ぐきが腫れたりします。垂直破折の場合はほとんどが抜歯となるケースが多く、水平破折の場合は割れている箇所によっては抜歯の選択となる場合があります。


Case1「症状がなかったのに…」

(33歳 女性)前歯のセラミック相談にお越しいただいた患者様です。口腔内所見は特になく、前歯の中の診断を行うために撮影したレントゲン撮影で左上側切歯に20×20㎜の大きな歯根嚢胞が見つかりました。症状は特になく、見つかった後に患者様に説明しましている際も信じられないといった表情でした。

通法通りの根管治療を行い、症状がないことを確認後、嚢胞の範囲が大きいため歯根端切除手術と併用して嚢胞摘出手術を行いました。嚢胞摘出後は病理組織検査を行い、“歯根嚢胞”と確定診断しました。歯根端切除手術とは、原因となっている根尖部分とともに嚢胞(膿が溜まっている袋状の病巣)を摘出する方法です。これにより原因となっている部分に直接アプローチができるため原因除去が可能となります。


Case2「歯ぐきから膿が出てきた」

(60歳女性)「歯ぐきに“ニキビ”のようなものができている」と来院されました。唇側の歯ぐきから瘻孔と呼ばれる膿の出口ができています。噛んだ時にやや痛むくらいの症状しかなく、特に生活に支障はないとおっしゃってました。また、この歯は以前にも根管治療を受けたことがあるとのことでした。

右上の側切歯部に瘻孔が見られ、膿が出ている状態でした。右上切歯と側切歯は以前に一度、歯根端切除手術を受けており、歯が他の歯に比較して短くなっています。これ以上歯を短くすると歯の寿命が短くなるので、歯根端切除手術は回避して根管治療のみを行いました。治療回数は約5回で根管治療を終了し、その後は土台を入れてセラミックの差し歯にしました。治療終了から約2年経過しましたが、現在も症状は特になく歯ぐきの瘻孔も消失、再発もしていません。


Case3「急に激しい痛みが出た」

(28歳男性)前歯の激しい痛みを訴え来院。前歯に目立った虫歯や歯茎の腫れはないものの、鼻の方まで痛くて頭痛がするとのことでした。拍動性の疼痛と噛めないくらいの咬合痛を訴えておりました。

レントゲンでは根管治療をしていない歯の根の尖端に黒い透過像を認めます。何らかの理由(以前に治療した虫歯や咬合性外傷)によって歯髄(歯の神経)が壊死して、壊疽や感染を引き起こし急性症状が発症したと考えられます。抗生物質を投与し消炎後、根管治療を行いました。すぐに根管治療を行わなかったのは、急性症状のある場合は、麻酔が効きにくかったり術後に激しい痛みが出る場合があるためです。こういう場合は抗生物質や咬合調整などで細菌の活動を抑えてから治療する場合があります。


Case4「噛んだ時の違和感」

(47歳女性)昨夜、焼肉を食べている時、左下の奥の歯が痛いような気がしたとのことで来院。焼肉を食べている時だけ痛みがあったが、食後や今朝、昼食時の痛みはないとのこと。

レントゲンで見てみると、左下第二大臼歯の根尖に透過像を認めたため、この歯の痛みを疑い根管治療を開始。治療期間中も特に症状を感じることはなかったとのこと。水酸化カルシウム製剤で根管内の消毒を行ったあと、根管充填を行い、差し歯にした後、経過観察とさせていただきました。1年経過後の現在も痛みは出ていないとのことです。


Case5「歯が浮いた感じがする」

(56歳男性)「痛みはない」、そう言って来院されました。でもなんかご飯を食べたりすると早く当たっている感じがしたり、たまにズキっとしたり、寝る前はひどかったり、、、となんか歯が浮いているような違和感を抱えているとのことでした。

レントゲンを撮ってみると根管治療の不備を認め、歯根の先端にはうっすら黒い影が…。過去に神経を取る治療を行なったとのことですが、根管内に充填されたはずの根管充填材がなくなってしまっています。これにより根管内に細菌が侵入して慢性炎症を引き起こし、根尖に膿を貯めてしまったと考えられます。根管治療をやり直し、緊密な根管充填を行いました。6ヶ月後の定期検診で再度レントゲンを撮ってみると、黒い影が消失しているのがわかります。これは、膿によって溶けた骨が、膿がなくなったおかげで骨が再度作られた状態です。また浮いた感じもないとのことでした。


Case6「最近治療した歯が噛むと痛い」

(22歳女性)最近、根管治療をしてセラミックを入れた歯が痛いと言って来院されました。歯が当たるだけで痛いとのことで、再度根管治療をするためにセラミックを外さないといけないかが気になるそうでした。

根管治療後にファイバーコアを入れているため、それを除去して根管治療を再度行うことによって歯が弱くなると判断したため、「歯根端切除手術」を選択しました。歯肉の根尖相当部より外科的根管治療方法を用いて、嚢胞摘出と根尖部分を除去しました。歯根端切除手術は根管ではなく、根尖部付近の歯肉の方から原因部分にアプローチするので、セラミックなどの差し歯を外さずにできることも利点のひとつです。


Case7「根管治療後の経過観察に来院」

(42歳男性)半年前に前歯の違和感を訴えて来院しました。痛みまでとは言えないなんとも不思議な違和感とおっしゃっていました。過去にも神経を取る治療を行い、差し歯をつけている状態での来院でした。根管治療を開始して、症状がなくなった後に根管充填をしましたが、瘻孔の改善を認めなかったため歯根端切除手術を行いました。そのあと瘻孔が消失したのを確認後、E-maxクラウンを装着しました。

6ヶ月後の定期検診と歯石取りに来院された時に、前歯のレントゲン写真を撮影。歯根の先に認められた透過像は完全に消失しています。歯根に溜まる膿は歯槽骨を溶かします。根管治療で膿や細菌を取り除くことで、また新たな歯槽骨が再生します。


Case8「治療途中の歯」

(45歳女性)治療の続きをしてほしいと来院されました。左下の第一大臼歯が治療途中になってしまっているとのことで、現在は歯に物があたると痛いとのことでした。レントゲンで見てみると歯根周囲が黒い透過像となっています。根管治療の途中で放置しており、根管内に再感染が起きたと考えられます。また長らく放置していたことが原因で歯根が低出してしまい、歯根の長さが後ろの第ニ大臼歯よりかなり短くなってしまってます。これにより差し歯にしたときの歯冠と歯根の比率が悪くなっており、予後が予測できない歯になっています。

患者様に説明したところ、将来はインプラントにしたいが今のところ経済的に困難とのことで、インプラントをするときまで歯槽骨を残す目的で歯を保存することにしました。根管治療後、差し歯にすると長くは持ちそうにないため、残根の上に部分入れ歯をしていただいています。6ヶ月経過後のレントゲンでは歯根周囲の透過像が消失しており、痛みもなく経過良好です。部分入れ歯も使ってくれているようです。


Case9「何回治療しても治らない」

(30歳女性)前歯の根管治療を2年以上しているが良くならないと訴えて来院されました。小学生の頃、部活でバレーボールをしている際に強打して神経を取る治療と根管治療を行ったそうです。それから特に問題なかったそうですが、約2年前くらいに歯肉の腫れのため再度根管治療を行うも良くならず、その後も何回か治療をしたそうです。半年前には歯根端切除手術を行ったとのことですが、その後も瘻孔(膿の出口)が消えることなく、根管治療を続けているとのことでした。

口腔内を見てみると、上顎中切歯の根尖付近の中央部に瘻孔を認めます。歯牙は神経がなくなって年月が経過しているため変色しています。レントゲンでは根尖に透過像(骨がなくなり黒く写る)を認めます。この歯に関しては歯の治療が極めて困難で抜歯を選択した方が良いと診断しました。その理由として①根管治療をしている期間が長い、②歯根端切除手術をして半年が経過しているが根尖の透過像が消えていない、③根管の幅や根管の出口が広がり緊密な根管充填が困難、④根管が広がっているため残存歯質が薄くなり弱くなっている可能性、⑤歯の状態から予後が不良である可能性が高い、などを考慮して抜歯の判断としました。

抜歯後の補綴として、隣在歯が虫歯や歯周病がなく健全であることから、インプラントを選択しました。抜歯後、根尖付近には多量の不良肉芽組織を確認。不良肉芽組織とは根尖部の感染や炎症に起因してできる上皮形成のない浮腫状の肉芽組織です。根尖性歯周炎の場合は嚢胞(膿が溜まる袋状のもの)の膜や壁、炎症によってできた軟組織である場合が多いです。その不良肉芽組織をしっかりと掻爬し取り除いた後、健全骨組織を確認してインプラント埋入を行いました。インプラントにセラミックの人工歯を装着してから約1年が経過しましたが瘻孔の再発はなく、見た目も良くなって治療に満足しているとのことでした。

⇒他にもインプラントの治療症例を見てみる

⇒本多歯科のインプラントの考え方


Case10「歯根嚢胞1」

(下記写真:上)左上の歯の差し歯が取れたことを主訴に来院されました。当院でパノラマレントゲンを撮影したところ、左下の歯に歯根嚢胞を発見しました。左下の歯は1年前に歯科を受診したときから抜歯を宣告されていたようです。痛みがなく食事も噛めたので放置していたそうです。直径12㎜の大きな嚢胞になっており、下歯槽神経が走行する下顎管に近接しており、関西医大口腔外科で全身麻酔下にて左下第一大臼歯の抜歯と嚢胞摘出となりました。

Case11「歯根嚢胞2」

(下記写真:下)入れ歯を作ってほしいと来院されました。下顎前歯に大きな虫歯があったためパノラマレントゲンを撮影したところ、右下小臼歯部に直径16㎜の歯根嚢胞を発見しました。痛みなどは特になく、口腔内所見では少し腫れているくらいでした。CTより左下第一小臼歯の歯根嚢胞と診断。下顎管の出口であるオトガイ孔に近接のため関西医大口腔外科で全身麻酔下で抜歯と嚢胞摘出を行いました。

Case12「歯性上顎洞炎」

(上記写真:右)左顔面が腫れて痛いと来院。顔面全体が痺れているような感覚とも。約7年ぶりの歯科受診でこれまでは特に何も症状はなかったとのこと。パノラマレントゲンとデンタルレントゲンにて左上第二小臼歯と第一大臼歯に上顎洞に及ぶ根尖性歯周炎を認めました。抗生物質と鎮痛剤を投薬して炎症を抑えた後、CTを撮影したところ、第二小臼歯部では炎症により上顎洞の骨壁が吸収されており(写真下左)、また第一大臼歯部の近心根部には直径約10㎜の歯根嚢胞(写真下右)を認めました。今後の歯牙と上顎洞の予後を考慮して、原因となっている左上の第二小臼歯と第一大臼歯の2本を抜歯しました。


Case13「歯茎の腫れの原因」

前歯の歯茎が腫れていると来院されました。ボクシングの試合中に前歯が折れて、折れた歯の歯肉が腫れているとのことでした。レントゲンを見てみると、差し歯が取れ、残った歯根にも水平的な破折線を認め、歯根が割れていました。根尖部には透過像は認めないため、根尖性歯周炎ではなく、歯の破折部に膿が溜まっている状態です。歯茎が腫れているからといってすべてが根尖性歯周炎とは限りません。

治療は原因となっている破折部分の除去ですが、破折部分を除去すると歯槽骨縁の下に歯質の境目が来るため差し歯にはできません。よって抜歯ということになります。抜歯後の補綴としてブリッジやインプラントが考えられますが、隣在歯が虫歯になっていることから、ブリッジを選択しました。割れた歯の根尖は膿も溜まっておらず、状態が良いので歯根を残してブリッジをしました。これは残根埋入といって、根尖を残すことで歯槽骨の厚みを保持する役目があります。歯を抜くことで失う骨を最小限にして、ブリッジの清掃性向上や歯肉の審美につながります。

⇒インプラントや残根埋入の症例を見てみる


当院では根管治療にXスマートプラスとウェーブワンを導入しています!

ウエーブワンはデンツプライシロナが開発したニッケルチタンファイルで、反復回転運動機能を搭載したXスマートプラスを使用して、効率よく根管拡大を行います。根管治療は、根管壁に付着した細菌層や細菌によって脱灰された感染象牙質を取り除き、根管内を綺麗にする治療です。ウエーブワンは切削効率が良く、短時間での根管拡大形成を行えます。根管治療の新たな技術革新とされています。(設備紹介はこちら)

 

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