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本多歯科ブログ

顎(がく)関節症の治療

2017年05月16日(火)

日本人の約50%が顎関節症?!

“口が開けづらい”

“口を開けるとき音が鳴る”

“あごを動かすと痛い”

こんな症状でお困りの方はいませんか?

顎関節症とは、これらアゴの症状の疾患の総称です。

日本人の約50%がなんらかの症状を持っていると言われており、特に20〜30歳の方に多く見られます。

「顎関節症は治らない」と言われてきましたが、現在では生活習慣の見直しや口腔習癖の改善、運動療法などによって治療することが可能です。

まずは、歯医者さんにかかってみましょう!

いろいろな顎関節症

顎関節症は、その症状や痛んでいる部位によって4つに分類されます。

Ⅰ型:顎関節を構成する筋肉の痛み(筋肉痛)

Ⅱ型:筋肉と骨を結合する靭帯の痛み

Ⅲ型:クッション材である関節円板の前方へのズレ

Ⅳ型:顎関節を構成する骨の変形症

どの顎関節症であるか、しっかり診断した上で治療を行う必要があります。

顎関節症の症例紹介

顎関節症の症例①:ある日急に痛くなった

枚方市在住の21歳、大学生の女性の患者様が、朝起きたら口を開ける時に激痛を感じ、ご飯を食べる時やあくびをする時に痛いと言って来院されました。

痛いのを我慢して、お口を開けてもらうように指示したところ、開口量は特に問題なく、関節部(耳の前方あたり)にも雑音やカクカク感は見られませんでした。

(写真はイメージです)

Ⅰ型(筋肉痛)もしくはⅡ型(靱帯痛)と診断し、筋肉をほぐすお薬と痛みを軽減するお薬を処方させていただき、顎関節を安静にするために「歯列接触癖」の改善を指示しました。

1週間後には症状の改善が見られ、日常生活も問題なく過ごせるようになりました。再発防止に、歯列接触癖の改善を継続していただき、マウスピース(ナイトガード)の作成をいたしました。

顎関節症の症例②:口が開けづらい、音がなる

交野市在住の29歳、会社員の女性の患者様は、3~4ヶ月前から左側の耳の前方あたりにカクカクとした雑音が気になっており来院されました。また、最近になって口が開きづらくなっているとのことでした。

触診によって、顎関節部の異常なカクカク音を確認し、Ⅲ型と診断いたしました。開閉口時に音がなり、開口時には左の方にあごが偏移していたため、左側顎関節部の機能抑制が起きていることを認めました。

(開口時に左側に偏移しているのがわかります)

またご家族(旦那様とお母様)から歯ぎしりをよくしていると言われているとおっしゃっておりました。

顎関節症を患っている約70%の方が歯ぎしりになっているとの報告があるため、歯ぎしりの改善が必須です。しかし、歯ぎしりは寝ている時に無意識に行うため、改善はほぼ不可能と言えます。

歯ぎしりをしている方の中で約80%の方が「歯列接触癖」を持っていると言われており、歯ぎしりと顎関節症状の改善のため、歯列接触癖の改善方法を指導させていただきました。

関節円板のズレを改善するため、ご自宅での運動療法(ストレッチ)を指示させていただき、夜間はナイトガードの着用をお願いしました。

1ヶ月後、口が開けづらい症状は特に認めず、カクカク音もマシになっているとのことで治療を終了し、その後は3ヶ月に1回のペースで経過観察しています。

顎関節症の症例③:口が開かない、何をするのも痛い

松井山手在住の50歳、専業主婦の女性の患者様は、ある日、急に口が開かなくなったと来院されました。以前から、アゴの付け根の部分に違和感とガクガク音を感じていたそうですが、日常生活に支障はなく放置していたということでした。

(写真はイメージです)

頑張って口を開けてもらっても指一本分しか開いておらず、強制的に開けようとしてもほとんど開かない状態でした。また口を開ける際に、関節部に激痛がある様子で筋肉もこわばっていました。

Ⅲ型の進行とⅠ型を同時に患っていると診断しました。Ⅲ型にはさらに2つの種類があり、

Ⅲa型:顎関節の関節円板が前方転位しているが、閉口時には元の位置に復位するもの

Ⅲb型:顎関節の関節円板が前方転位しており、癒着を起こしてロックがかかっているもの

があります。

この患者様は、Ⅲa型が進行して、Ⅲb型となっており、関節円板の前方転位によって、顎関節が動かなくなっている状態でした。関節円板は、アゴの関節のクッション材でもあるので、骨と骨が直接擦り合って、骨の部分にも炎症起こしている可能性がありました。

まずは、炎症を抑えるためとⅠ型の改善を行うために、投薬を行いました。2週間後、痛みはだいぶ治りましたが、口は相変わらず指一本分しか開いておらず、ご飯が食べ辛いとおっしゃっておりました。

開口訓練と歯列接触癖、日常生活での姿勢改善を指示し、Ⅰヶ月後、開口が指二本分に改善したところで、スプリントを作製し、経過観察を行なっています。3か月経過した現在では、かなり口も開くようになって、いい感じで改善できてきています。

顎関節症の症状④:口が開けにくい、顔がずれている

大阪市在住の28歳、会社員の男性の患者様は、当院の患者様のご紹介で来院されました。聞くと、昔から顔がずれているような感じがするとのことで、左側のあごが開きにくいとのことでした。

パノラマレントゲン撮影を行なったところ、左右の下顎枝(下あごの骨の骨格)に差があることが判明し、それによる顔の歪みを感じていると診断しました。

(右のあごと左のあごの長さが違うのがお分かりいただけますか?)

これは、「顎変形症」と言って、アゴの骨が変形している顎関節症のⅣ型に該当します。

大学病院での手術による改善を説明し、大阪歯科大学付属病院の矯正科にご紹介させていただきました。

仕事での長期休暇が取れたら手術を行う予定とのことです。

顎関節症の症例⑤:口が閉まらない

宮之阪在住の80歳、画家の男性の患者様は、朝、あくびをしたら口がそのまま閉まらなくなったと来院されました。なんの前触れもなく突然起きたために、パニックになっている様子でした。

これは顎関節症ではなく「顎関節の脱臼」と診断し、すぐさま徒手整復を行いました。

脱臼したまま放置すると、炎症によって癒着を引き起こし、整復しにくくなります。

よくお話を伺ってみると、若い頃は顎関節症で口がほとんど開かなかった時もあるとおっしゃっていました。ある日急にまた口が開くようになって、痛みも消えたとおっしゃられていたことから、おそらく、Ⅲb型のまま治療をせずに放置した結果、下顎骨がすり減り、脱臼しやすくなっていると判断しました。

再発を予防するために、あくびなどの時も大きくお口を開けないように指示し、経過観察を行なっています。

患者様は「あの時治療していれば、、、」と後悔しているようでした。

あごの関節の治療について

あごの関節は、肘や膝などの関節と構造的には同じです。

よくサッカー選手や野球選手が、ひざやひじを痛めているニュースを見かけます。ニュースを見ていると、そのほとんどが長期離脱であることが多いです。

肘や膝の関節に比べて、あごの関節は、

ひとつの骨(上顎骨)ともうひとつの骨(下顎骨)を左右ふたつの関節で動かしている

という特異性があります。また、毎日食事や会話をするために動かさなければならないので、サポーターなどで固定したり、安静にするのが難しいという難点があります。

関節の痛みや症状は、根気よく治療することが大切です。

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