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本多歯科ブログ

歯肉炎から歯周炎へ

2017年05月29日(月)

歯ぐきから血が出る

歯ぐきの色が赤紫色になっている

歯ぐきが腫れている感じ

こんな症状をお持ちの方はいてませんか?

これは、『歯肉炎』の症状です。

歯肉炎というのは、歯周病の始まりの合図です。「歯周病」とは、細菌などにより歯を支える歯槽骨や歯ぐきといった組織が破壊されていく病気です。

歯肉炎は、痛みや自覚症状がほとんどなく、気づくのが遅くなる傾向にあります。痛みが出てきたときには、軽度歯周炎まで進行している可能性があります。

『歯磨きしているときに歯ぐきから血が出る』ことに気づいたら、すぐに歯医者さんに見てもらいましょう。

歯肉炎から歯周病になる

歯肉炎は、細菌の塊である歯垢やプラークが歯や歯茎に付着していると、その歯垢やプラークの中の細菌が歯ぐきに炎症を引き起こします。細菌が糖を分解して作り出す酸と毒素により歯を支える歯槽骨を溶かし、歯ぐきから歯槽骨までにギャップを生じ、歯と歯茎の境目に3~4㎜のすき間(歯周ポケットと呼ばれる溝)ができます。その溝は、深くなればなるほど、袋状になっており、そこに歯石がたまり、細菌の巣窟となっていくのです。

さらに進行すると…

歯肉炎の状態を放置していると、炎症はひどくなり、歯周組織や歯を支える骨である「歯槽骨」や「歯根膜」にまで細菌や炎症が進行し、歯周組織を破壊して、『初期歯周炎』へと進行します。初期歯周炎の状態でもまだ痛みがないことが多いです。軽度歯周炎の症状としては、歯茎の腫れや出血、膿、口臭などです。

初期歯周炎の治療症例

患者様は、38歳、会社員の男性の方、

「食事時に噛んだときに頼りない感じがする」

「歯磨きの時に歯ブラシに血がついている」

と来院されました。

歯と歯ぐきの境目には、歯垢(プラーク)が付着して、歯ぐきが赤く腫れて、歯間乳頭と呼ばれる、歯と歯ぐきの境目と歯と歯の間の歯ぐきが三角形になっている部分が、腫れて丸みを帯びていました。歯周ポケットは全体的に3~4㎜で歯肉炎から軽度に歯周炎に進行しているケースでした。

歯肉炎は、日々のブラッシング不足や間食が関係しているためセルフケアでほとんどが治すことができます。

ブラッシング指導では、歯ブラシの当て方や動かし方を指導させていただき、ブラッシング習慣の改善では、1日2回以上歯を磨くことを指示させていただきました。また、缶コーヒーの『ちびだら飲み』を辞めるよう間食指導を行いました。

2週間後

ブラッシングの改善が認められ、歯と歯ぐきの境目にも歯垢(プラーク)は残っていません。

プラークが原因で歯ぐきが腫れているのがわかります。患者様も歯ぐきの変化に驚いていました。

歯周ポケット内の歯石やプラークを、超音波を使って除去していき、中の方に付着していた歯石は、ハンドスケーラーを使って、SRP(ルートプレーニング)を行いました。

1ヶ月後

歯ぐきはさらにピンク色になり、健康的な色に変化しました。

奥歯に入っていた合っていない銀歯は、歯石や歯垢がつきにくいセラミックに交換しました。

この頃になると、歯磨きした時のチクチク感や血がついているということもなくなり、炎症がコントロールされている状態になりました。

現在は、3ヶ月に1回のペースでメインテナンスを続けています。

メインテナンス

ブラッシングもとても上手にできており、歯肉の腫れや出血はほぼ見られません。

下の前歯に若干の歯石付着を認めます。超音波スケーリングと普段磨きづらいところをしっかりと綺麗にさせていただいています。

またメインテナンスにお越しいただく日を楽しみにしています。

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