歯周病はギネス認定
2016年11月17日(木) Q&A歯周病はギネスにも認定された感染症
歯周病は日本人の『歯を失う』原因の第1位でもあります。30歳以上の約80%の方が患っていると言われています。特に症状を呈さないまま進行し症状が出た頃には、歯ぐきが退縮したり、歯を支える歯槽骨が溶けていたり、最悪の場合抜歯する必要があったりします。そういうところから、サイレントディシーズ(静かなる病気)とも呼ばれています。また人類史上最も感染者数の多い感染症とされギネス記録にも載っています。
歯周病は全身に影響を及ぼす
歯周病は歯を失うだけでなく、心筋梗塞や動脈硬化、誤嚥性肺炎にも大きく影響があると言われています。また糖尿病や高血圧などの生活習慣病を悪化させるという研究結果が公表されています。これは歯周病も生活習慣病の一種ということなのです。よく噛まない食事やきちんと磨かない歯ブラシ、ストレス、喫煙など多くの生活習慣が歯周病の要因となっています。
歯ぐきの検査は必要か?
良く歯医者に行って歯石取りや歯周病治療を行うとき、最初に「歯ぐきの検査をします」といって、歯ぐきをチクチク触るあの嫌な検査を歯周組織検査と言います。そのあと「全体的に4㎜が増えてます」とか「このあたりに深いポケットがあります」とか言われたことはありませんか?
なにを診ているのかというと、歯ぐきの高さから骨までの距離を診ています。
歯ぐきが腫れている場合は歯ぐきの腫れ具合を、歯周炎(歯槽膿漏)の場合は骨の溶け具合を診ています。この検査から歯ぐきの状態を知り、歯ぐきの治療の行程を考えていきます。
歯周病治療への考え方
歯周病治療への考え方は、もう何年も変わってはいません。原因である歯石の除去に徹底して努めることです。一度失った骨はもう戻ってはこないのです。歯周病の治療は主に、歯垢・歯石の除去、かみ合せの改善に咬合調整、生活習慣の改善、ブラッシング教育、現状維持に努めるメインテナンスが挙げられます。当院では、歯ぐきの検査を行いつつ歯石を取る方法を勧めています。超音波スケーラーと行って、超音波の力を利用して歯石を柔らかくして除去する方法、それでも取れない場合は、歯ぐきに浸潤麻酔を施しハンドスケーラーで取る方法の二種類を駆使し歯周病の原因になっている歯石を除去しています。
歯周組織再生誘導法(GTR法)
ハンドスケーラーで歯石を除去したあとも歯肉に炎症を生じるものや、失った歯周組織によって機能障害を起こしている歯に対する治療方法です。歯周外科手術といって歯ぐきを一時的に剥離し目視下で歯石や感染物質を取り除いていきます。歯周外科手術後、メンブレンを挿入することにより歯根膜組織を歯根面に選択的に誘導し、炎症により破壊された骨組織やセメント質などの硬組織を新生させ、喪失した結合組織性付着の回復はかる治療法です。歯周治療における歯周組織再生環境を提供し、エナメルマトリックスタンパクにより正常な歯周組織を誘導するものです。